仏教語コラム ”盆”
お盆(おぼん)とは、夏に行われる日本の祖先の霊を祀る一連の行事。日本古来の祖霊信仰と仏教が融合した行事である。
かつては太陰暦の7月15日を中心とした期間に行われた。現在では太陽暦の8月15日を中心とした期間に行われることが多い。
<wikipediaより>
新しいシリーズ「仏教語コラム」、第1回は ”盆” です
一般的には日本のお盆は8月13から15日となっており、8月も一後半に差し掛かり、皆さんのご家庭でも無事”お盆”を迎えられたことでしょう
”お盆”は現在でも「ご先祖が帰ってくる」という意味も含め国民的な行事で、多くの企業をはじめお盆期間に休日を合わせていますね
長期休みを利用して生まれ育ったご実家に帰省する方々も多いことでしょう
皆様がたのご家庭でも遠方にお住いの親戚の方や、お子さん、お孫さんなどが一同に会したのではないでしょうか?
現在は”お盆”と、親しみをもって呼ぶことが多いですが・・・
お盆は正式には「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といいます
これはインドの言葉である、サンスクリット語のウランバナ(逆さ吊り)に漢字で音をあてたもので、そのはじまりについては、「盂蘭盆経」の中の親孝行の大切さを説いた教えが基となっているようです
このお経の中では、お釈迦様の優れたお弟子さんの一人である目連尊者が、餓鬼道に落ちてしまったお母さんを苦しみをから救おうと考えました。そのために、雨安居(雨期百日間の修行)を終えて修行道場から出てくる僧侶に供養したのが起源であると示されています
「目連尊者像」
その後、仏教が一般に広まっていく中で、一年に一度死者がかえって来るという考えと「盂蘭盆経」の教えが混ざりながら
”お盆”に先祖の霊を迎えて供養するという流れが形成されたと考えられています
世界の”お盆”に関する歴史を調べてみると、中国では梁の武帝が西暦538年に始めたという書物があり、日本では斎明天皇の時代・西暦657年以来行われていると記録されています
舎人親王(とねりのしんのう)らの撰で西暦720年に完成した「日本書紀」の中にも、すでにお盆行事の記録が残っていることから、古来より日本人に親しまれている行事なんですね
”盂蘭盆会”は太陰暦(旧暦)の7月15日に、行うものとされていますが、現在では太陽暦(新暦)の8月15日に迎えられるところが多いようです
秋田県も新暦でお盆を迎えられるところが多いですが、特に農耕が盛んな地域では7月中に農作業が忙しくなかなか時間が作れないため、新暦への移行とともに8月にお盆を迎えるようになったそうです
日本のお盆は、ご先祖さまの霊と一緒に過ごす大切な期間です
夏休みや長期休み・・・まとまった時間を利用して遠くに出かけられたり、レジャーを楽しむのも確かに大切なことです・・・
その中で少し時間を設けてご先祖様のお墓参りをしたり、お仏壇に手を合わせていただければこれ幸いです☺
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