【書籍紹介】火葬場奇談 1万人の遺体を見送った男が語る焼き場の裏側 – 2022/9/5 下駄 華緒 (著)
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同じ日本のなかでも、お互いが「ウチのやり方が全国のやり方」と思っていることが多々ある
火葬場で火葬技師として長年働いていた下駄さんの本(Youtubeチャンネルもあるらしいです)
おどろおどろしい感じのホラー本のような表紙に一瞬躊躇してしまいそうですが
内容は就労時代のエピソードが中心で、事実ベースな書き方でとても面白いです
葬儀作法、火葬作法、供養作法には地域差がものすごいありまして
私がいる秋田県(東北)は先火葬(葬儀の前にご火葬する)が一般的なので、東京や大阪の方がお葬式に「最後の別れとしてお顔を見るために」来られるとすでにお骨になってお葬式が始まるというのは実際によくある話です
また、お骨上げ(収骨)も地域差が大きいところがあって、「全収骨」する秋田県を含む東日本は大きい骨壺にお骨のほとんどを集めますが、「部分収骨」が多い西日本は骨壺が小さいことが多いです。私も初めて見たときはとてもびっくりした記憶があります
この辺の違いも、どこを基準にどういった経緯で違いが生まれているのか、実際にその地域で葬祭儀礼に関わらないとわからないところがあるのですがいつかはしっかりと勉強したいところ
秋田市斎場
骨壺は「持つ」ではなく「抱く」棺も「持つ」ではなく「抱く」ご遺体は「運ぶ」ではなく「連れていく」など、言い出すとキリがない。それはご遺族さんへの配慮という面もあるが、ぼくはむしろ葬祭業で働く方々自身の意識を保つ側面もあると思っている。言葉の力は凄まじく、言葉の使い方によっては、それがのちに行動に現れることはよくある。なので、故人に対しても、あくまでも「人である」という意識を常に保つためにも、こういった言葉遣いを「遺族さんの前だけ」ではなく常にしておいたほうが、回り回って自分自身のためにもなるのではないかと思う(冊中より)
こういった風習に関わる話以外にも、かつて火葬場で「チップ」が一般的だったお話(今ではコンプライアンス遵守で受け取らないところもおおい)や、火葬場に伝わる噂や都市伝説など全編通してざっくばらんに語られています
少し不謹慎に感じるところもありますが、葬祭業に勤める方の矜持もひしひしと感じられ、面白くもあり私を含め皆さんが本当に知りたいのはこういうところだなぁと興味深く勉強させていただいた一冊
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