仏教語コラム ”托鉢”



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托鉢  -僧が修行のため、鉢(はち)を持って、家の前に立ち、経文を唱えて米や金銭の施しを受けて回ること-




この記事を今ご覧になられている方 ”托鉢(たくはつ)” を見たことがありますか?




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都会の大きい駅に上のような写真の恰好で立っている方がいらっしゃいますね


秋田ではなかなか気候の関係もあってひとりで立っていることは少ないですが、秋田市では市内の曹洞宗僧侶が毎年12月1日から5日まで托鉢をしています




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托鉢とは、僧侶が街を無心に歩き布施したい人が現れれたときに、ただそれを受け取るという修行の一つです。



托鉢は街頭募金のように思われる方も多いですが実はそうではありません




托鉢では道行く人に「お布施」をお願いすることがありません

お布施してくだれた人にも一人ひとりお礼をいったりはしません



托鉢に「お願い」がともなっていたり「お礼」を返してしまいうと寄付をつのったり募金活動をすることと同じくなってしまいます





「托鉢」は元をたどると物事に対する執着を捨て生きて行くということを他人に委ねる大切な修行です。お釈迦様がいらっしゃった時代(現在でも南アジアでは行われていますが)金銭だけでなく食べ物や衣服も他の人から頂いたもので修行生活をしているのです ※


秋田市の曹洞宗僧侶で行われる寒行托鉢でいただいたお布施は、社会福祉協議会を通じて被災地などに送られます


そして托鉢の本意は 僧侶に施しをする人々に功徳を積んでもらう” ことにもあるのです




地域や時代が違いがあり、本来のカタチから変化している部分もありますが、「托鉢」はお釈迦様の時代から続く大切な修行なのです

(寒い中)歩く僧侶にとっての修行だとおもわれがちですが、布施をしていただく皆様にとっても修行になります


状況は変化していても、お釈迦様や歴代祖師と同じように「托鉢」できるのは本当にありがたいことです




托鉢威儀(手甲)

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托鉢威儀(脚絆)

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私たちが托鉢をするときは、頭に網代笠、足には脚絆(きゃはん)、手には手甲(てっこう)をつけて、頭鉢(ずはつ)と鈴を持っています。

いつもお経に伺う時と違う点は、衣を腰のあたりでたくし上げ、歩きやすいように裾を上げております





曹洞宗は秋田市において


毎年12月1,2,4,5日には寺町のお寺を出発して秋田駅の仲小路大屋根下(We road下から西武のまえのあたり)


3日には新屋の天竜寺様を出発して新屋の町内を午後2時過ぎより回らせていただきます




お布施していただいた皆様とゆっくりお話ししたり、お礼をいったりすることはありませんがどうぞよろしくお願いいたします









2019年の秋田市は雪は積もっておりませんが天気は雨模様でなかなか寒そうです・・・




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それでも歩くと体は自然と温まりますし、托鉢僧を見つけて寒い中駆け寄って下さるみなさまとお会いすると心も温まってくるものです



東光寺副住職も午後から出発させていただきます

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