仏教語コラム ”寿餅”
少し前のブログの記事でアップさせていただきましたが、曹洞宗では寿餅という習慣があります
寿餅は「新しい1年迎える機会に、師匠の無病息災や長寿などの祈りを込めたお餅」のことです。
徒弟2名から寿餅をいただきました(^^♪<参考URL>
東光寺では、臼や杵を用意して大規模につくといった形ではありませんが、お餅はお供え用・寿餅用・家庭用を含め前年の28日に準備しています
新年が明けるとお正月の三ケ日は三朝祈祷といって、普段の朝のお経に加えて諷経がありますが、寿餅諷経はその後に行われます
床の間に「龍天軸」と呼ばれる小さい掛け軸(仏法の守り神を祀る掛け軸)供え、その前に重ね餅を置き、師匠の法体堅固福寿無量を祈願して読経焼香します
そして3日間の祈りを捧げた「寿餅」をそれぞれのお師匠様に届けるんですね
曹洞宗の場合、師匠となる方は多岐にわたります
1・受業師(じゅごうし) ・・・得度(出家した時)の師匠
2・法幢師(ほうどうし) ・・・立職(法戦の時)の師匠
3・本師 (ほんし) ・・・伝法の時の師匠
4・参学師(さんがくし) ・・・修行した道場の堂頭老師
師匠の数は、その僧侶によって変わる場合が多く、お寺で生まれ育った副住職は受業師と本師が実父の現住職であり、安居修行中に法戦させていただいたので、法幢師と参岳師が同じ方になっています
そのため例年2組の”寿餅”を準備しています
父でもある住職は同じところに住んでいるのでお祈りが終わった3日にそのまま渡し、遠方にいらっしゃる師匠には上の写真のように賀露を添えて郵送しておくっております
寿餅は僧侶特有の習慣かと思っておりましたが、インターネットで探してみると、永平寺のお土産としてお歳暮用に販売されているのを発見しました(';')
今ではそれぞれのご家庭で餅を準備するというのは少なくなっているようですが、年の初めにお世話になった方にご挨拶に行かれる方は多いと思います
このような習慣は時代とともに移りゆく面も多いと思いますが、寿餅を送る相手が元気でいらっしゃるというのはとてもありがたいことだと痛感いたします
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